医薬品を殴る

 私が通っていた小学校は、幼稚園と向かいあう形の小学校でした。そこの幼稚園に行き、向かいの小学校に通い、いつしか小学6年生になりました。卒業式が終った次の日、私は同級生の元うどん屋のYと一緒に学校の遊具で遊んでおりました。
 校舎が向かい合う形なので、幼稚園の遊具も小学校の遊具も使い放題でした。小学校の遊具はなぜかかなりボロボロでブランコの座る所はまるで流木の様でした。なので、基本は幼稚園の遊具を使っていました。
まだ肌寒い日が続いておりましたので、Yは使い捨てカイロを所持していました。私は持っていなかったのですが、寒かったので貸してもらってました。1つのカイロに二人の子供、世知辛い現実です。
「そうだ、カイロを投げ合えば互いに温かくなるに違いない」
Yは提案し、私は賛成しました。こうして、カイロを投げ合う事になりました。
私たちはカイロを投げ合いました。できるだけ迅速に、できるだけバイオレンスに、校庭にはカイロを投げ合う音が響きました。校庭には私たちしか居ません。
どれくらい時間が経ったかは分かりませんが、ある瞬間にこの永遠とも思えるカイロ投げは終了したのです。
「あっ」
Yと私の声と共にサラサラとした音が静かに流れ出しました。そう、カイロが破れたのです。
黒い粉は校庭の砂と混ざり合い、いつしか「ただの校庭の砂」となりました。
私たちはそのままYの家に行き、うどんを食べて帰りました。(うどん屋なのでうどんが大量にありました。)

おわり


風邪を引いて3日くらい小屋から出てないので、書く事が思いつきませんでした。

■追記
コミティア103の帝国水素個人サークル「銀河特急」は G10aです。

帝国水素/itamiff