イヤホン

 自分の周りにはあまり聞かないような名字の人たちばかりなのと、このKはツイッターをやっているのですが名字で検索すると一番初めに出てくるので伏せておいた気がするのと、近いうちにもしかしたら作家になるかもしれないので普通に公表してもいいような気がしますがここではイニシャルで表示します。
 Kは初めて会った時から俺は芸術家なのだ、、、に近いビッグマウスな言動ばかり繰り返しており1〜2年間あまり関わらなかったのですが、年々愉快なキャラになってきたので最近は微妙にあいさつなどをするようになりました。
 このKは気配を消しながら背後に近づき話しかけるという高度な技術を持っているのでいつもびっくりしながら振り向くところから会話が始まるのですが、Kは声が非情に小さく私は低音が聞き取りずらい事もあり半分以上何を言っているのか分からないのでだいたい「はあ〜」「そうだな〜」などというあいまいな返事ばかりしています。
 さて、下図のセリフはそのKが脈絡もなく突然放ったセリフなのですが、一見オレの人生は恋愛などに振り回されないという決意のようにも見えますがそれは違います。

こいつ自身は彼女を必要としなくても女が勝手に寄ってくるのですが、そういった余裕を兼ね備えた上で発言をしているのです。Kのイヤホンからはラッドウィンプスのセプテンバーが流れており、セプテンバー♪と口ずさみながら去っていきました。
 私よりもKと仲がいいSはラインで彼独自の芸術論が送られてくるそうです。正直、私もその話が聞きたい、、、、そう思いました。しかし、それは叶わない気がします、、

追伸:本当はかつて存在した※「みやくら君」という少年の話を書こうとしたのですが、これの3倍以上の文字数なので辞めました。※存命

(完)
絵・文章 帝国水素